変形性ひざ関節症は、老化、肥満、O脚、運動不足などが原因で発症する慢性疾患で、 ひざの関節軟骨や半月板が徐々に摩耗し、悪化すると骨まで変形する大変な痛みを伴う病気です。 現在、変形性膝関節症の患者数じゃ約1000万人とも言われ、非常に身近な病気と言えます。
身近な病気である変形性膝関節炎ですが、はっきりした根本の原因はわかっていません。 ただ、老化、体重の増加、O脚、運動不足、姿勢の変化による足への荷重の変化など様々な原因が複雑に入り組んでいるようです。
■老化
関節のクッションである軟骨に栄養を供給しているのは滑液包のなかにあるヒアルロン酸です。 これらが加齢に伴い減少することで、軟骨が傷つきやすくなると言われています。
■体重の増加
人間を支える日本の足は、一般的に一日にジェット機一機分の体重を支えていると言われています。 これは歩行時など、ひざや足にかかる負担は体重の約3倍近い荷重がかかっているためです。 体重が重く、ひざや脚への負担が大きい人ほど、発症率は高くなります。
■運動不足
関節は、それを内包する骨や、軟骨など靭帯で支える形で成り立っています。 膝が痛く運動不足がつづけば、当然筋力や靭帯は弱くなり、症状は進むことになります。
- 老化により、滑液包というひざに栄養を与える部位に損傷が起き、軟骨が傷つきやすくなる
- 体重の増加などは、ひざへの負担を増やし、症状の進行や発症率を高める
- 運動不足による、人体や筋力の低下は、ひざそ自体を支える機能を失い、変形を生みやすい
■ひざの痛み
変形性膝関節炎の主な症状は、じっとしている時ではなくひざを動かしたときに現れる痛みです。 最初はベッドやイスから立ち上がるときなど、ひざに高い負荷がかかることで痛みがあらわれます。 症状がすすめば、階段の上り下りや、膝を曲げて座った時などにも痛みがあります。 安静にしていれば基本的に痛みはないのですが、重度のものではじっとしていても痛みが取れないこともあります。
■ひざに水がたまる
関節が炎症を起こすと滑膜の細胞と炎症を起こしている細胞は増殖します。 そしてこれらの細胞は炎症性の浸出液を排出します。この排出液はよく「水」とたとえられ、「ひざに水が溜まった」という状態をつくります。 ひざの水、炎症性の浸出液の中には関節の軟骨を溶かそうとする有害物質が含まれています。 滑膜炎が続いている状態では、膝のクッションである軟骨は有害物質を含んだ炎症性の浸出液から栄養を受けることになります。 次第に弱っていき、運動時の摩擦も加わり消えていきます。
■ひざの変形
炎症が起こり、症状がすすむと膝関節の破壊がすすみひざは変形していきます。 膝に水がたまる状態はすでに症状がだいぶ進んだ状態です。 軟骨が消える、増殖した滑膜組織は骨の中へと進入し、滑膜細胞から放出される物質は骨により骨はむしばまれ、そして変形が起こります。
- 初期では痛みはありませんが、症状はゆっくりと進み、運動時に痛みがあります。
- 関節のクッションである軟骨がすり減ることで骨同士がぶつかり炎症を起こし、ひざに水が溜まる
- 炎症を起こし、ひざに水がたまるなどしたひざ関節は破壊が進み変形します。
足に合った靴を履くのはまず大前提と言えます。足の計測でしっかりとご自身の足を把握しましょう。 歩行時に足は様々な動きを見せ、足に合った靴でなけば、安定性にかけて転びやすくなりますし、他の足の変形を招くこともあります。 紐靴が望ましいのですが、甲の部分でしっかりと止められるのであれば、マジックテープなどでもかまいません。 変形性膝関節症の靴選びは、足をついたときにぐらつかない安定した靴が良く、 ヒールは低く、そして安定したものが良いでしょう。また踵は足を包むカウンターがしっかりしたものが良いでしょう。 またオーダーアインラーゲンなど中敷きによる調整も有効です。 変形性膝関節症といっても膝の変形の方向が、外向きか、内向きかで調整の方法も違ってきます。 その膝の曲がった方向をサポートする形で、中敷きに外側ウェッジ、 内側ウェッジなどの加工を施すことでひざを中敷きからサポートする方法もあります。
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