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外反母趾
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足の変形と病理
外反母趾

足の障害として最も有名なのはこの外反母趾でしょう。 男性にくらべ圧倒的に女性に多くみられ、足の親指の付け根の骨が、体の外側へと曲がる足の変形をさします。

原因

■1.足に合わない靴を履き続けることによる外反母趾

最も多い原因が、足に合わない靴を長時間履いたことによる外反母趾変形でしょう。 足の幅の狭い人の場合、自分の足の長さに合った靴を履いているはずなのに、ブカブカでフィット感がない。 そのため、自分の足の長さより小さな靴を選んでしまう傾向にあります。

靴のサイズが小さくなれば、幅も比例して小さくなります。 しかし、靴には「捨て寸」という指が靴にぶつかったりせず、ある程度動くことが出来るような空間があります。 この空間まで足をぎゅうぎゅうに詰めた状態で歩行すれば、足の指は靴の形に合わせて変形します。

こうしたことは、実は大きすぎる靴、適切なサイズであっても足が甲部できちっと固定されていないと起こります。 足の甲でしっかりと足を固定しないと、運動の際に靴の中で足が前に滑り、指は靴の爪先へと押し付けられ変形を招くのです。

■2.開張足を原因とする外反母趾

外反母趾が靴による足の変形という考えは一般的ですが、 履物には関係なく外反母趾が起こってしまうことが明らかになっています。 高齢の方によく見られる開張足による外反母趾です。

お年を召された方によくみられる前傾気味の姿勢、この状態で足の重心は足のつけ根の関節に集中しています。 ここには足や体にかかる負担を軽減する「足の横アーチ」と機能がありますが、荷重がより多くかかることで横アーチは次第に崩れ、開張足となります。

開張足をきたすと、足の筋肉の働く向きに変化が起き、本来足の趾を下へと向ける筋肉の作用が、足を外側へとむける働きへと変わってしまいます。 履物に関係せず、姿勢による足への荷重が開張足を引き起こし、筋肉のバランスが変化することで外反母趾が発生するのです。

■3.足に合いにくく、そして開張足になりやすいハイヒールによる外反母趾

女性の履くハイヒールは「爪先が靴に押し付けられる状態」と「開張足の発生」の二つの点で、より外反母趾が起きやすくなります。 足を甲に抑えることが出来ずに、前へ前へと足が滑り、結果つま先で足が抑え付けられ、変形が生まれます。

またヒールの高い履物は、必然的に前足部、足の指から、足の指の付け根の関節にかけて、非常に荷重がかかりやすくなります。 ただ女性をとりまく社会環境を見れば、ヒールの高い靴を履かないといけない場面と機会があります。

そうした場合は、たとえば、ハイヒールを履く場所までは歩きやすい靴で向かい それに値する場所でハイヒールに履き替えればいいのです。 時と場合に合わせた、ちょっとした工夫で今よりも楽な足の状態を生み出すことが出来ます。

  • 原因1 足に合わない靴を履き続けることによる外反母趾
  • 原因2 開張足を原因とする外反母趾 >> 開張足【足の変形と病理】
  • 原因3 足に合いにくく、そして開張足になりやすいハイヒールによる外反母趾
  • 原因4 関節リウマチを原因とする外反母趾 >> 関節リウマチ【足の変形と病理】

症状

足の親指は健康な人でも5〜10度ほど曲がっていますが、外反母趾では異常に曲がってきます。 変形の過程において、痛みが必ずしもあるとは限らず、むしろ初期の内に違和感を感じ、早期に対処できれば幸いでしょう。

外反母趾で痛みを感じるのは母趾の変形の過程より、むしろバニオンとやばれる瘤(こぶ)が見られるときに顕著に表れます。 このバニオンは足の付け根の関節のでっぱってくる部分にある粘液の袋が、靴に擦れて炎症をお越しできるものです。

重症になると、足の親指は曲りつづけ、関節がずれて完全に曲がってしまい、 第二趾(足の人差し指)の下に潜り込んだり、上に重なったりします。 靴を履かなくても、地面に足を付けただけでも、強く痛むようになります。また負荷の集中により、タコができやすくなります。

  • 症状1 健康な人でも足の親指は曲がっていますが、外反母趾は大きく曲がってきます。
  • 症状2 痛みの原因のほとんどはバニオンと呼ばれる「コブ」が原因。当たらなければ痛くない。
  • 症状3 重症になると親指が人差し指の下に潜り込んだり、乗ったりする状態になります。
  • 症状4 変形が進めば合う靴は少なく、靴の中であちこち足がぶつかり角質が多く出来ます。

靴での対処

まず足に合った靴を履くことです。 もしも靴選びの際にそれらがわからないのでしたら、専門店にいるシューフィッターによる足の計測をしてみることをお勧めします。 また、靴は甲の部分でしっかりと固定できるものが望ましく、指が自由に動くものが必須です。

そして靴を履く際には、踵に足を寄せて甲の部分でしっかりと固定します。こうすることで、靴の中で足が前へと滑ることを防止します。 靴の踵を踏みつけたりせずに、紐を結んだまま脱ぎ履きすることは避けてください。必ず紐を一度ほどき、結び直すようにするとよいでしょう。

足の親指の付け根にバニオンなどの瘤が見られ、痛む場合は、シューストレッチャーなどで部分的に痛む部分を伸ばすことで 痛みの緩和が可能ですが、それは足に合った靴を履いていることがまず前提となります。

また横アーチの低下など、足の筋力の低下、マメやタコなどには中敷きからの調整が有効です。 低下した横アーチを保持し、アーチを形成し、荷重のかかりやすい部分には荷重を軽減する調整を施します。 また足の親指と、足の人差し指の間にはさむ趾間パットも効果的です。

変形によってできた、足のタコや魚の目、爪への負担などは、足のケアーが非常に有効です。

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