踵骨底面には、足底腱膜、母趾外転筋、短趾屈筋、足底方形筋などが付着している。 これらの筋群によって牽引力が繰り返しくわえられると、その起始部において腱膜炎や、骨膜炎を生じ疼痛が起こる。 踵骨の足底腱膜付着部に時折生じる棘で、とがった先端は主にして遠位を向いているが、多少は下にも向く。
足底腱膜炎はスポーツによる過剰負担が招く生涯としてよく知られている。 原因は骨棘そのものではなく、むしろ足底腱膜とそこに付着する足部固有筋の付着部炎にある。 棘がある位置は圧により痛みを感じることもあるが、棘が大きくなれば痛みも大きくなるとは必ずしも言えない。 踵に付着した腱膜に反復して繰り返される小さな刺激により、ヒールパッドがショックを吸収する機能を失い、疼痛が発生すると言われている。
歩行時あるいは規律時に踵部痛を主訴とする。疼痛が著しい場合には、跛行(はこう)を呈する。 中年に好発し、男性よりも女性に多い。外見的には異常はなく、踵部底側局所熱感や腫脹を認めることもない。
局所安静が大切である。医師による適切な処方後 足底板などの保存的両方によって治癒が可能である。